いつまで母さん

依存症の家族と暮らす

長女からの手紙

1. アルコール依存症・・・堕ちた結婚生活

 

ギャンブル依存症の夫との結婚生活。

3人目を妊娠中に夫が家出をした。

出産後、また同居を始めたが、


私は、何もかも嫌になり、飲み歩くようになった。

三交代の病院勤務と、飲み歩きで、家を留守にすることが多くなった。

家では、遮光カーテンを閉め切り、朝から呑んで寝ているだけだった。

 

自分で「母親失格だ」と思いながらも、

 

また飲みに行く。
また夜勤が始まる。

 

酔って失敗ばかり。

大量飲酒の後悔と

自己嫌悪。

 

そんな毎日が続いた。


子どもたちは、夫の実家でご飯を食べたり、

持ち帰りのお弁当を買って食べたりしていた。

 

夫のギャンブル依存性は続いていた。

 

そんなある日、小学校2年生だった長女の手紙がテーブルに置いてあった。

 

アルコールに100%依存しきっていた当時の私は、その手紙を読んでも、ほとんど気持ちが動かなかった。

 

2. 長女からの手紙

 

8年後の3月。長女は、中学3年生の10月から始まった『4か月間の不登校』を乗り越えて、高校に合格した。

 

私も、同じ年の3月に2年間の研修を終え、認定看護師に合格した。

飲酒は続いていた。

少し時間ができたので、結婚20年分の断捨離を始めた。

 

本を500冊以上捨てた。

衣類や書類もゴミ袋20袋以上捨てた。

 

結婚生活のほとんどが、『いらないモノ』で埋め尽くされていたことに愕然とした。

断捨離をしている最中に、

 

長女からの、あの時の手紙が出てきた。



長女が、小学校二年生だったころに戻って、なわとびをするようすを見てあげたい。

 

でも、時間は取り戻せない。

泣いた・・・

 

そして悲しいことに、

長女の手紙を読んでも、やはりアルコールをやめられなかった。

 

やめたかったが、やめられなかった。

 

 

 

3. 断酒を決意した時(長女から感謝の手紙)

 

1年後の『5月31日』ふと思い立ち断酒を決めた。

今までにも何度も断酒を誓っては、挫折してきた。

 

「また、どうせ続かないだろう」と自分を信じることはできなかったが、とりあえず断酒を始めてみた。

 

なぜか、2年以上経った今でも『断酒』が続いている。

 

小学校二年生だった長女からの手紙が、「私のアルコール人生」を集約している。

 

その手紙が、これから守るべき「大切なもの」や、「帰る場所」を示してくれている。

 

そして、長女の高校の卒業式でもらった、長女からの感謝の手紙とともに、断酒を続ける「お守り」になっている。

 

 

 

4. 松本俊彦先生のインタビュー

 

以下、松本俊彦先生のインタビューの抜粋である。

依存性者の特徴をとてもわかりやすく説明してくださっている。

 

『――松本さんは精神科医として多くの依存症患者と向き合っていらっしゃいますが、依存症の方はどういう方が多いのでしょうか。

 

松本俊彦: 依存症患者は不真面目で反社会的であるというイメージを抱かれやすいですが、実は非常に頑固で潔癖で自分のルールに厳しい人が多いのが現状です。「意思が弱い」とも言われますが、何度失敗しても周囲に何を言われてもやめられないというのは、視点を変えれば「意思が強い」とも言えるわけです。依存症患者と関わる中で、これまでたくさんの思い込みに自分が洗脳されてきたことに気づかされました。

 

――依存症患者になりやすい人の共通点などはあるのでしょうか。

 

松本俊彦: 自分の意思や性格が強すぎる人、人に傷つけられてもSOSを出すことができない人が依存症に陥りやすい傾向があります。 患者さんと向き合う中で、依存症はすごく人間くさい病気だと気がつきました。依存症患者の一つの特徴として、人生が波乱万丈で最高地点と最低地点の差が激しい人が多いことが挙げられます。見栄っ張りで常に背伸びをしていて自分を1.5倍大きく見せようとしたりするけど、実はすごく寂しがり屋な人が多くて。依存症は人間くささが濃縮されて高濃度になっちゃった病気のような気がしますね。』

https://news.yahoo.co.jp/articles/e07a9d717fac12d2bf7afc4ef6c4a191e708dfd8

 

『自分の意思や性格が強すぎる人、人に傷つけられてもSOSを出すことができない人が依存症に陥りやすい傾向があります』

 

母は、こうあるべき、

家庭は、こうあるべき、

仕事や人生は、こうあるべき。

誰かがつくった価値観にしばられて、自分を追い込んできた。

 

それでは、自分の人生を生ききれてはいない。

生ききれるはずもない。

 

それは、誰かがつくった価値観に、がんじがらめにされた人生だから。

 

我が家は、

ルコール依存性、ギャンブル依存性、市販薬物依存性、不登校がいる家族。

 

丸ごと全部受け入れて堂々としていれば、それで良い。

最近は、そう思えるようになってきた。

少しずつだが「生きやすく」なってきた。