いつまで母さん

依存症の家族と暮らす

『統合失調症患者の行動特性 第3刷』昼田源四郎

 


精神科病棟で働くいつまで母さんとしては、統合失調症は身近な疾患である。

この本は、先輩から勧められて購入した。

 

第1部 統合失調症患者の行動特性

第2部 各特性相互の関係と統合失調症者の全体像

第3部 統合失調症患者との接し方  まとめに代えて

 

の3部から構成されている。

 

昼田先生が長年診療をされてきた統合失調症の方々のデータや体験、

統合失調症を理解するために世界中で行われた心理テストの結果などをもとに

本書は書かれている。

 

第2部の第2章で、

ハローが行った「統合失調症の方に知能テストWAISの一般理解の項目と、

ことわざの意味を問うことわざ試験」を参照に、

統合失調症の特性と生きにくさについて昼田先生が説明されている。

 

統合失調症の方は、日常生活においてモニタリングの機能が有効に働かない。

そのため、常識的な判断が困難になったり、失敗したり、その言動が奇妙で特有なものになってしまう、という。

 

■引用■

 『統合失調症患者がモニタリングの機能に障害をもつのは、

 第一には彼らが現在の状況の正しい把握に障害を持つためであり、

 第二には参照すべき知識ベースの形成が不十分なためであり、

 第三には照合するという関連機能そのものに障害をもつため

 と考えられる。』

 

その他、本書には、統合失調症の方々の特性が列挙されており、

大変わかりやすくまとめられている。

 

統合失調症の疾患理解や、家族や地域、医療、様々な立場から、

どのように関わっていけば良いか、とても役立つ内容になっている。

 

第3章「様子はみない」という項目の中で、

 

不安や焦燥感が強いという特性をもつ統合失調症の患者さんが、

不眠や落ち着かないと訴えてきたときは、

早急に対応するのが良い、と述べられている。

 

 

■引用■

 『彼らの焦燥感や不安感、あるいは落ち着きのなさといったものが、

 多くのばあい一刻の猶予もないほど切羽詰まったものであることを知った』

 

 

これは私が精神科看護師として勤務している中でも、

毎度、痛切に実感していることである。

 

 

本書をおススメする理由の一つは、

昼田先生の統合失調症の患者さんに対する温かい思いも伝わってくる

ということである。

そして「告知」についても昼田先生のお考えが述べられている。

 

私は、自身を振り返り、

日頃から、知らないこと(無知であること)により、

不安が積み重なり、偏見が生まれると思っている。

 

相手を知るということ、疾患や原因を知ることの大切さを日々痛感し、

学ぶことをやめない姿勢が大切だと感じている。

 

偏見のない社会にしていくために、私にできることは、まず、「知ること」である。

本書でも、昼田先生が述べられているが、統合失調症の患者さんは、優しくて真っ直ぐな方が多い。

 

社会の中で、お互いの足りない部分を支え合い、

住み良い社会にしていく同士であり、

仲間である。

 

ぜひ、ご一読いただきたい本である。