娘は、中学校入学から不登校になり、全く学校に行かず引きこもっていた。
ゲームをするか寝てばかりいる娘に、私も、学校に行かそうと朝から怒ることが多くなった。
別居中だった夫は、娘の不登校に対して、私以上に動揺していた。
夫は心配して、行政機関に相談した。
不登校になって半年以上経っていた。
娘は、行政機関が紹介してくれた学習センターに週30分から1時間通い始め、夫も私もホッとした。
その時の心理検査で
娘のIQが75以下であると告げられた。
学習センターでは、
心理士さんがカウンセリングをしたり、手工芸などの作品づくりをしていた。
その学習センターへも、約1ヶ月半で行き渋るようになった。
夫も私も、せめて学習センターにだけは通ってほしい、
社会や学校とのつながりが切れたら、
今後、この子はどうやって学び、成長していくというのか?
将来は???
という焦りと不安が、再び大きくなってきた。
ある日も娘は「学習センターに行きたくない」と
ベッドから出てこなかった。
私は、娘に、
「学校には行かなくてもいいから、学習センターには行ってちょうだい」
と言い残して出勤した。
娘をセンターに送るために来た夫と、娘。
二人きりになった。
夫は、
「何、甘ったれてるんだ!行きなさい」
と、ベッドから引きずり出して、娘にビンタをしたとのこと。
行かない理由を尋ねても、きちんと理由を言わない娘に苛立ち、どこにも行き場のない状態に追い込んでしまった。
泣きながら、学習センターに行った娘。
学習センターには入らず、
階段の途中で大きめのカッターナイフを2本握りしめて座っているのを
学習センターのスタッフの方が見つけ、
カッターナイフを預かったとのこと。
今まで自傷行為はない娘だが、
よほど思い詰めてたのだと思った。
夫も娘も、そのエピソードを一切私に話さなかった。
私は、後日、学習センターの心理士さんから聞いた。
預かったカッターもその時に返された。
心理士さんから、
本人が嫌がるならば、無理に学習センターに連れてこなくてもいいんですよ。
でも、〇〇さんの時間枠は空けてあるので、
来れそうな時は、いつでも来てください。
と言われた。
娘の気持ちに寄り添っているつもりになっていたが、
不登校になった娘の話をきちんときいてあげてなかったなあ・・・でも、
何から切り出せば良いのか?
「学校に行かない」娘にどう対応していけばよいのか、途方に暮れてしまった。
息子の薬物依存症の発覚と時期が重なり、
あまりの衝撃で、
私は、飲酒する気力もなくなり、
自然とアルコールを飲まなくなった。
児童の患者さんの理解のために購入した本だが、
まさか、我が娘のために再読することになるとは。
- 滝川一廣(たきかわ・かずひろ)先生著
1947年名古屋市生まれ。名古屋市立大学医学部卒業後、同大学精神医学教室(木村敏教授、中井久夫助教授)へ入局。青木病院、愛知教育大学障害児教育講座等を経て大正大学人間科学部教授。現在、学習院大学教授(文学部臨床心理専攻)。
ラインを引き、付箋を貼り、5回以上読んだ箇所もある
『安心して家に居られるようにする』
家族として最初にこころがけるのは、子供が安心して家にいられるようにすることである。夫は、毎日、パチンコで別居しているし。2DKの狭いアパート。
安心していられる家庭じゃないな。
引っ越して、夫婦をやり直そうか。「家族」を再構築してみようか。
動こうと決めた。