1.「境界知能」について。
知能指数(=IQ)は、
IQ85-115は、「平均的」
IQ69以下は、「知的障害」と位置づけられ療育手帳の対象となる。
IQ70~84が、「境界知能」と呼ばれるのは、「平均的」と「知的障害」の境界域
「グレーゾーン」に位置するからである。
その数は、人口の約14%、1,700万人に上るとされ、
7人に1人の割合。
「平均的とは言えず、障害とも言えない」本人も周りも気がつかない。
そのため、本人が抱える『生きづらさ』は、周囲に気づいてもらえない。
小さい頃から、「サボっている」「やる気がない」「すぐにキレる」「扱いにくい子」といわれる。
今のところ、「辛いです」と、声を上げる術もない。マイノリティーな人たち。
『ケーキの切れない少年たち』も、まさにそういう子たちである。
2.娘の本音
娘は、中学2年生に進級するときに、心理士さんから、境界領域IQで、学校で他の子と同じように学習していくことは難しいといわれた。
同じ学校内にある、支援学級へに通ってはどうか、と先生からお話があった。本人は、「中学生にもなって、いまさら支援学級には行けない。みんなと頑張りたい」と今まで通り、普通教室への通学を選んだ。
コロナの大流行も重なり、中学1年生の2学期から不登校になっていた。先生方も、私も、無理強いはせず、本人の意思を尊重した。
1・教室で授業を受けるときは、学習支援員をつける
2・きつい時は、サポートルームで勉強をする
ことになった。
ある日の夕暮れ時、
「学校の勉強についていけなくて、小学生の時から悔しい思いをしていた」
と娘が、突然、私に話しかけてきた。
私は、驚いて、手に持っていた野菜を落としそうになった。
3.登校するようになったきっかけ
4月に入ってから、友達が毎朝、迎えに来てくれるようになった。
違う小学校だった子。
その子も不登校気味でサポートルームに通っている。
そこで娘と友達になったようだ。
家も近所なので毎朝、来てくれる。
「眠たいから休みたい」と渋っていた娘も、コンコンと友達がドアを叩く音がするとパッと起きて、時々、ぼーっとしながらではあるが、登校の支度を始める。
血圧が低いので、朝ご飯は食べさせるようにしている。
お味噌汁だけの時もある。家で食べる時間がない時は、小さめのおにぎりなどを持たせる。サポートルームで食べたり、通学しながら食べたりしている。
4.仲間の大切さ。見ていてくれる人のありがたさ
私も、Twitter断酒部のみなさまに支えられ、2年以上の断酒が続けられているのと同じように、
不登校にも仲間がいたら、
学校までの道のりが少し楽になるかな
学校の中で過ごす時間が少し楽になるかな
そう思える。
友達ってありがたいなぁ、としみじみ感じている。
三者面談では、担任の先生から
「朝、ちゃんと来れるようになってるのは、すごいことだよ。1年生と2年生の時とは違うね。頑張ってるね」
と声をかけていただいた。
1年生や2年生の頃は、私が、仕事をこっそり抜け出し、10時か11時ごろに車で娘を中学校まで送っていた。
その2年間の大変さが、少し報われた気がした。
先生の言葉は、私に言われた言葉のような気がして、三者面談の帰りの車の中で嬉し泣きをした。
1番辛かったのは娘だった。
その娘の大変さをわかってあげられなかった自分をずっと責めていた。
担任の先生の一言で報われた気がした。
頑張れ娘
頑張れ私